「ノート・パソコンへの不信」というと,ハードウエアへの不信のようであるが,実はそうではなくて,「現在ノート・パソコンをメインのコンピュータとしている人は,ビジネスマンとしては,あまり信用できない」という,私の偏見についての話である。
●ノート・パソコンの長所
持ち運びできる
コンパクトである
●デスクトップ・パソコンの長所
安い
速い
容量が大きい
画面の選択肢がある
キーボードの選択肢がある
部品交換の柔軟性が高い
ノート・パソコンを使うということは,高くて,遅くて,容量が小さいマシンを使っていることにほかならない。部品交換の柔軟性が少ないので,部品単位のアップグレードがかけにくい。そのため,古いハードウエアをだましだまし使わなければならないことが多い。
そんなわけで,正しいアプローチは,メインはデスクトップ(もしくはサーバー)で,持ち運びとコンパクトさを要求される局面があれば,その場合に限定してノートを使うことではないかと思う。
今の多くのビジネスマン,特にオフィスで働いている人にとっては,パソコンは主要な道具である。それを磨かずして,どうやって生産性を上げるというのか。旧型パソコンでベストな仕事ができるのか。ノート・パソコンをメインのパソコンとしている人は,そういうことを,考えていないのではないかと思う。
ノート・パソコンには,他にも懸念がたくさんある。
故障,喪失,盗難の危険がある。もちろん,デスクトップ・パソコンだって,火事とか盗難とかの危険はないわけではないが,ノート・パソコンの方が,確率が高いと思われる。たとえば,飛行機が不時着するときに,ノート・パソコンを持って逃げるわけにはいかないのだ。
データをオンラインでバックアップしておけばいい,という人もいるかもしれない。でも,それって,漏洩のルートを作っているようなものではないか?というのが私の感想である。
ノート・パソコンを会社のネットワークに接続し,ウィルスを大感染させて,最後に会社を辞めることになった人を私は知っている。とてもじゃないが,もうつなぐ気になれない。そんなことで会社を辞めるのはイヤだ。
カバンにノート・パソコンを入れて持ち運ぶことで,身体を痛める可能性がある。これは,深刻な問題だ。
ノート・パソコンを常時持ち運ぶことで,考える時間,本や新聞を読む時間を失う可能性がある。人間は面白いもので,パソコンの前で考えることと,歩きながら考えることと,電車の中で考えることと,風呂の中で考えることなどが,微妙に違う。ノート・パソコンを常時持ち運ぶことは,自分の脳の一部を無駄にしていることではないだろうか。
会議でノート・パソコンを開く人は,それが,他人にとって不快なものであるかもしれない可能性を,よく考えたほうがよい。少なくとも,私はやらないようにしている。
ノート・パソコンをプロジェクタにつないでプレゼンテーションをする人は,その方法が,「紙1枚にまとめて全員に配布する」というクラシックなやり方と,どちらがより効果的か,よく考えたほうがよい。私は,ソフトウエアのデモンストレーションをするためにパソコンを会議室に持ち込んだことはあるが,プレゼンテーション・ソフトは使ったことがない。プレゼンテーション・ソフトで,毒にも薬にもならない,フォーカスのない情報を見せられるとうんざりする。どの部分に書いてあったっけ?と探す人にはあきれる。
ソフトウエアを作る人,評価をする人は,なるべく性能の高い,容量の大きいパソコンで仕事をするほうがよい。なぜなら,数年後には,そのパソコンが普及するから。未来を金で買えるのだと考えれば,ハードウエア・コストが小さく思えるはずだ。未来を金で買うことで,他の人より早く勉強を始められる。そのメリットは,コンピュータ業界に生きているのであれば,言葉にならないくらい大きい。リーダーになるか,フォロワーになるかが,それだけで決まってしまいかねないくらいなのだ。
クラウド・コンピューティングという言葉が流行している。
オススメは,自分の机の横にラックマウントのサーバーを積み上げることだ。人にやらせて金を払うか,自分でやって金を払わずに済ませるか,その選択なのだ。後者から前者へ移行することは,きっとできる。前者から後者へ移行するのは,ある日気付くと,手遅れだったりすることがあるのだ。
ノート・パソコンの自慢をしている人を見ると,寒々しい気持ちになる。
昨日,公共の浴場で風呂に入っていて,隣で男性二人がおしゃべりをしているのを聞いていた。コンピュータがらみの話をしていた。面白いのが,7割は本当で,3割が誤りだったことだ。ある程度わかっている人の言うことを,信じてはいけない。7割が本当でも,3割が誤りかもしれない。
コンピュータ業界には,誤りを信じ込んでいる人がとても多い。
私もときどき,あれ,間違えてたな,と思うことはある。知らないことを知らないという勇気,自分が誤っていたときにそれを認める勇気,自分の知識が正しいものかどうかを確認し続ける努力,それらを持ち続けるのは,そんなに簡単なことではない。
男性二人のおしゃべりでは,「ムラマサ」とか「クルーソー」とか「20GBのHDDが4000円」とかいう単語が聞こえてきた。うわー,よく恥ずかしくないな…。
ま,我が家にも,Pentium 133MHz,HDDが20GBのWindows 98のノートがありますけどね。
今話題にするんだったら,やっぱり,Core i7にしようよ!
H2
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